今日は人間の性別についての話。
一般的に、第一次性徴で性別を分けますね。
XX染色体を持っている人は女性、XY染色体を持っている人は男性です。
が、皆がみんな、そうとは限りません。
世の中、半陰陽の人もいますし、心と体が不一致する人もいるわけです。
ちなみに半陰陽とは“第一次性徴における性別の判別が難しい状態…(wikipediaより)”です。
XX、XY染色体以上・以下を持っている人もいれば、外見と染色体上の性別が一致しない場合などもあります。
今日は、とっても、とっても、『もしも』『例えば』の話。
医者じゃないみんなも、もし自分が医者だったら… と思って考えてみてください
親子(父子)の患者さんが、あなたのクリニックに来ました。お父さんは遺伝子疾患(親から子へある程度の確立で受け継がれる病気)を煩っていて、子供がその病気を持っているのか検査をしにきました。検査結果を見て、あなたは二つの事を知りました:一つは子供が病気を煩っていないこと。もう一つは子供の遺伝子上の父親は彼では無いこと。あなたは患者さんに何を伝えますか?
A. 子供は病気を持っていない
B. 子供は病気を持っていないし、子供はあなたの子供ではない
16歳の患者さん(未婚、女性)が婦人科検査(無月経)の為にあなたのクリニックを訪れました。検査をしたら、患者さんはXY染色体を持っている事が判明しました。彼女は有名なアスリートで、これから全国大会等に出場する予定です。彼女の親は、彼女には言わないでくれ!とあなたに訴えます。あなたはどうしますか?
A. 一生、無月経である事を伝える
B. XY染色体を持っている事を伝える(男性として扱われるため、女性部門の大会には出れなくなります)
24歳の患者さん(既婚者、女性)が、無月経(三ヶ月以上生理が来ないこと)と不妊治療の為にあなたのクリニックに来ました。詳しい検査をしてみた所、彼女は、XY染色体をもっている事が判明しました。XY染色体を持っていると言う事は、染色体上は男性です。あなたは、患者さんに何と言いますか?
A. 不妊である事を伝える
B. 彼女が“生物学的に男性である”事を伝える
ちなみに最後の二人の患者さんは、男性仮性半陰陽のアンドロゲン不応症。胎児の時から男性ホルモンに反応しなかったために、男性としての性器が発達せず、外見は完全なる女性。多くの男性仮性半陰陽:アンドロゲン不応症の人はとーっても美人。ですが、外の性器(乳房やヴァギナ)は女性でも、子宮や卵巣はありません。かわりに精巣(停留精巣)や性腺があり、後に問題を起こす可能性が多いため、多くの場合は手術を進めるかもしれません。
問題への私の答え…
最初の親子の問題、私は『聞かれない限り、A.病気を持ってない事だけを伝える』と答えました。
そしたら、医療倫理学の先生が『もし、親子がとっても不仲なのが感じ取れたらどうしますか?虐待の可能性を感じ取ったらどうしますか?』と…。そして、Bを選んだ生徒に『あなたは奥さんの秘密を勝手にばらすと言うことですね?家庭崩壊に繋がるかもしれませんよ?』
う~ん。。。。難しい。
二番目の質問(14歳の女の子)への私の答えは『う~ん… A。知らぬが仏って言うし』
先生:『もしこのまま全国大会や国際競技大会に出たら、そこの検査で落ちるし、そういう場でしらされるのはもっとショックじゃないかい?』。
う~ん… 。難しい。
三番目の質問(不妊治療の患者)への答えは『う~ん… A. 言わないかな。これも知らぬが仏』
先生:『でも、患者さんには、自分の体に何が起こってるのか知る権利があるでしょう?』
う~ん… 。難しい。
ちなみに、偽りの事を言う!なんて発想は捨ててくださいね
そういうのは、ダメです
ま、と言うことで、正しい答えと言うものはありません。
患者さんには『知る』権利もあれば『知らない』権利もあるわけです。
これは、ケース・バイ・ケース。
難しいですね
今日はココまで
じゃぁ~ね
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